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おとぎ話に出て来るような、スペイン瓦が印象的なとんがり屋根。アメリカンハウス風のウッドデッキに窓下のアイアンのプランターなど、洋風の可愛らしさも得意としています。内装にはテラコッタや天然木をふんだんに使用し、南欧風とカ ントリー風を取り入れた、木の温もりたっぷりの仕上がりに。マンションのリノベーションにもおすすめです。
家のコーナー部分のほとんど(ほぼ100%)は、カクカクと角張っています。これは「つまらん!」と思い、コーナー部分を丸くしてみました。角をなくして丸みを帯びるだけで何だかとてもあったかい雰囲気に。このようなちょっとした工夫で、安らぎを感じる空間になったり可愛らしく演出できたり、「つまらん!」を解消して表情豊かになります。
バルコニーの床は雨や雪など、天候の影響を受けるため、防水性を一番に考え、FRP(繊維強化プラスチックス)防水にしています。屋外なので建物内部への影響は少ないと判断し、採用しました。
手摺りには、レッドシダーを使用。「外部に無垢材を使うの⁉︎」と、思う人がいるかもしれませんが、外でも意外に持ちが良いのです。無垢の中でもこのレッドシダーは香りが強く、防虫防腐性に優れています。また、自然素材の外部用木塗水を塗ることで、さらに長持ち。道路から眺めてみると、赤みのある無垢材の色合いに温かさを感じます。
火山の噴火で自然に産出される火山灰を原料とした外壁材は、吸放湿性に優れていて、カビになりにくいのが特徴です。土っぽさを出したかったのでこの色に。塗り方もナチュラルな感じに仕上げました。近所では「泥んこの家」なんていう子もいるみたいですが…。
無垢の集成で輸入物なので、どんな接着剤を使っているのかわかりませんが、膠(にかわ)など、自然素材の接着剤ではないことは確かなので、使おうか使わないか非常に迷いました。しかし、家の顔ともいえる玄関は第一印象が大事とと考えて、見た目の可愛さ重視でつけました。
このデザインで接着剤が天然物なら最高なんですが…。化学物質過敏症やアレルギー・喘息のご家族がいる家庭にはおすすめできないのが残念です。
帆立貝の貝殻は年間15万トン以上も廃棄され、深刻な社会問題になっていることをご存知ですか。そんな、帆立の貝殻を有効利用した貝殻壁には、実はすごい力があるのです。まず、100%天然素材なので有害化学物質を出しません。むしろ有害物質を吸着する力を持ち、消臭効果や断熱・調湿効果があり、通気性にも優れています。
また、ビニールクロスはほとんど部屋の中の湿気を吸ってくれませんが、上から塗ることも可能で、それにより調湿機能と有害物質を吸着する機能を持たせることもできます。同時に、カビ・ダニ対策も期待できるので合理的です。
内部建具は、木材本来の雰囲気を存分に楽しめる無垢の木を、膠の接着剤で作っています。無垢材となる木材には、パイン・香杉・徳島杉・桐の4種類があり、この建物には桐以外の3種類を使いました。着色は使って安心な木塗水(自然塗料)の古色ブラックをチョイス。木塗水の古色ブラックを塗ると、無垢ならではの木の質感がそのまま残り、アンティークな感じが出て味わい深いのです。
全20色(内部用・外部用各10色)ありますので、お好みでどうぞ!
1階の無垢の床板は杉30㎜、2階はパイン34㎜の厚みがあります。孫の代まで使えそうな厚みです(笑)
無垢材は呼吸をします。湿気が多いときはその湿気を吸い、逆に少ないときは吐き出してくれます。木は生きているのです。そのため床鳴りもしますが、それはそれで木の温もりを感じられて、愛着が湧きます。
最近の住宅に使われる、合板を接着剤で固めて作る床板は、家を長持ちさせる効果は一切ありません。接着剤を使っているため、化学物質を放散します。そして、接着剤の寿命がくるとバラバラになってしまい、決して長持ちはしないのです。
せっかく無垢の床板にしても、市販の科学物質だらけのワックスを使ってしまうと木の呼吸を止めてしまいます。木の呼吸が止まると、木本来の調湿機能が発揮されなくなるので、いらない湿気の行き場がなくなり、カビやダニの原因にもなります。
天然素材のワックスを浸透させると、木本来が持っている機能を損なうことなく、もちろん化学物質も揮発することがありません。木塗水との相性も抜群です。固形・半練り・液状の3タイプがあります。
1階の壁と小屋裏には、羊毛を原材料としたウールの断熱材を使用しました。断熱材には、夏の太陽熱や冬の冷気が室内に入るのを遮断し、冷房や暖房が効いている室温を外に逃がさない効果があります。羊毛は断熱性が高く、嫌なニオイもなし。体への安全性が実感できました。
施工は、柱や天井などの構造材の間に充填する工法なので、炭化コルクに比べてかなり楽にできます。
建物の最上階が強い影響を受ける天井の断熱。1階の部屋は過ごしやす畔も、2階は耐え難い暑さになるということがあります。屋根裏は、夏場などはものすごく温度が上がる空間なのです。
最近の住宅によく使われるペラペラとしたスレートの屋根材は、野地板にほぼピッタリくっついていて空気層が取れないため、なおさら暑くなります。空気層が取れる形状のものを使うとずいぶん温度が違います。この建物には野地板(下地材)の上に垂木を流し、その間に炭化コルクの断熱材を入れ、さらに空気層を設けて2重の野地板とし、さらに駄目押しで屋根裏内側から羊毛の断熱材を屋根垂木の間に入れ込んでいます。これなら無駄なエネルギーを使わず、経済的にも助かります!
1階の天井と2階の壁に、炭化コルクを使用しています。炭化コルクはワインなどの栓に使われるコルクを炭化させたものです。天然素材で、固めるための接着剤はいっさい使用せず、圧縮のみで加工されていますので、化学物質が放散しません。断熱性はもちろんのこと、遮音性にも優れ、化学物質を吸着する力も持っていて、その優れた性能を発揮します。
冬は現場でお尻に敷いて休んでいるととても暖かく、炭化コルクの断熱性能が実感できます(笑)
床下にはもちろん、ベタ基礎でその下には防湿シートが敷いてあります。この建物ではさらに床下全面に珪藻土の細石状になったものを敷き詰めています。蒸し暑さや寒さという感覚には、実は湿度が非常に関係しています。床下は室内よりも普段の温度が4~5℃低くなっているため、同じ空気でも外気との温度差で湿度が高くなります。
また、床下を乾燥させることで土台などが腐食する心配も少なくなり、家自体も長持ちするんです。私の知り合いで、炭化したコルクを床下に敷いて同じ効果を得ている会社もあります。